道路交通法104条は、意見の聴取に関しておおむね次のように規定している。

①公安委員会は、第103条第1項第5号の規定(自動車等の運転に関して道交法に違反したとき)により免許を取り消し、若しくは免許の効力を90日以上停止しようとするとき、103条第2項一~四号の規定(自動車等の運転により故意に人を死傷させ又は建造物を損壊させたとき、自動車運転死傷行為処罰法第2~4条に該当する行為をしたとき、酒酔い運転・麻薬等運転をしたとき、救護措置義務違反があったとき)により免許を取消そうとするときは、公開による意見の聴取を行わなければならない。この場合にいおて、公安委員会は、意見の聴取の期日の1週間前までに、当該処分に係る者に対し、処分をしようとする理由並びに意見の聴取の期日及び場所を通知し、かつ、意見の聴取の期日及び場所を公示しなければならない。

②意見の聴取に際しては、当該処分に係る者又はその代理人は、当該事案について意見を述べ、かつ、有利な証拠を提出することができる。

③意見の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは、公安委員会は、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。

④公安委員会は、、当該処分にかかる者又はその代理人が正当な理由がなくて出頭しないとき、又は当該処分に係る者の所在が不明であるため第1項の通知をすることができず、かつ、同項後段の規定による公示をした日から30日を経過してもその者の所在が判明しないときは、同項の規定にかかわらず意見の聴取を行わないで免許の取消し若しくは効力の停止をすることができる。

⑤前各号に定めるもののほか、意見の聴取の実施について必要な事項は、政令で定める。

この規定に基づき、道交法施行令第39条は、「意見の聴取の手続」として、次のような規定を置いている。

「法第104条第1項の規定による意見の聴取を行う場合における処分をしようとする理由 は公安委員会の掲示板に掲示して行う」。

また、道路交通法104条の2は、「聴聞の特例」に関しておおむね次のように規定している。

①公安委員会は、第103条第1項又は第4項の規定(①政令で定める幻覚を伴う精神病にかかっている者・政令で定める発作により意識や運動の障害をもたらす病気にかかっている者・その他政令で定める自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気にかかっている者であることがそれぞれ判明した時、②認知症であることが判明した時、③政令で定める目が見えないことなど自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある身体障害者であることが判明したとき、④アルコール・麻薬・大麻・あへん又は覚せい剤の中毒者であることが判明したとき、⑤これらのいずれかに該当することを理由として公安委員会が指定した適性検査を受けず又は医師の診断書を提出しなかったとき、⑥重大違反唆し等をしたとき、⑦道路外致死傷をしたとき、⑧その他免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき)により免許の効力を90日以上停止しようとするときは、行政手続法第13条第1項の規定による意見陳述のための手続きの区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

②公安委員会は、前項の聴聞又は第103条第1項若しくは第4項の規定による免許の取消し若しくは同条第2項若しくは第4項の規定による免許の取消しに係る聴聞を行うに当たっては、その期日の1週間前までに、行政手続法第15条第1項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。

③前項の通知を行政手続法第15条3項に規定する方法によって行う場合においては、同条第1項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、2週間を下回ってはならない。

④第2項の聴聞のい期日における審理は公開により行われなければならない。

⑤第2項の聴聞の主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。